ビデオ編集

文字デザインは色のコントラストで決まる【中級編】

前回に続いて第2回目のテロップ講座です。

第1回目はテロップ文字が適性に読めるかについて書きましたが、今回はテロップデザインにおける注意点について書きます。単に文字デザインと言えない映像の制約がある。

 

最終出力フォーマットを決める

映像フォーマットは一般的にDVD、BD、ネット配信用などいろいろありますが、テロップ編集をする前に必ず最終出力フォーマットに沿ったデザインを考えましょう。

解像度は大きく分けてSDサイズ(720:480)とHDサイズ(1920:1080)があります。まだまだ販売用などもDVDが主流です。

BDならばHDサイズなのでテロップもキレイに出力されますが、DVDは解像度も低くエンコード設定により差も出ます。

この制限をまず念頭にテロップ編集をしましょう。特にHD編集→SD出力は注意が必要です。

  • HDでは小さい文字でも読めたが、SDでは文字が潰れて読めない
  • 細い明朝フォントや線などはチラツキが出やすい
  • 文字とエッジの境界がにじみやすい
  • ロール・クロールが速度によってブレやすい

上記は大まかなものですが、いろいろとHD→SDは問題が山積みです。全てがHDになる日も遠くはないと思いますが、SDで十分という方が多いのも事実。

2層ディスクのレンタルDVD画質を思えば納得できますが・・。大手と場末のビデオ業者のエンコード技術を比べられるのも怖いですよね(汗。

 

色にはコントラスト(明暗)がある

テロップを作る最初は「映像背景・フォント・大きさ・色」ですよね。

テロップを入れようとするならば、ほぼ映像は決まってるかと思います。その映像によって文字を入れる位置・大きさは決まる。

フォントは制作者のセンスが問われる部分ですが、ここでは割愛します。見やすいならば問題ないです。そして最も重要なのが「色」

 

これはSMPTEカラーバーとそれをモノクロにしたものです。※ EDIUS上でHDキャプチャ

カラーバーだけ見ると色がたくさんありますが、モノクロにするとほぼ白か黒・灰。様々な色には明暗がある。つまり色だけで判断すると失敗しやすいということ。

色の明暗を見極め、映像に沿った文字の配色をする。これがテロップデザインの要です。

下の図は背景画像と文字のコントラストが合っていない状態のものです。好きな配色をしようにも、背景映像が邪魔をして文字が見にくいことが分かります。

モノクロ版

逆に背景映像に沿った文字配色にすると↓

モノクロ版

このように見やすい文字にはコントラスト(明暗)の境界がはっきり出ています。背景映像と文字色のコントラストは明と暗。陰と陽。

これは文字色とエッジ・マットなどの配色をする際にも基本となることです。

上の図の黒い文字に白いエッジを付ければさらに見やすく文字が浮いてきます。最初の見にくかった水色文字も反対色である黒エッジで見やすくなると思います。

この色の明暗による配色をマスターすれば、今日からあなたはテロッパーです。

さて・・今回は注意点・色の基本などを書きましたが「オサレじゃない」「ヤボったい」という声は分かります。

しかし基本や注意点も分からずにオサレテロッパーにはなれません。はい。次回は最後の講座。基本は分かった!好きにオサレしてえんだよ!です。

コメント