ビデオ編集にはテロップは付き物。映像では不明瞭な情報もテロップで補うことができる。曲目紹介やメイン・日時・場所など、テロップ挿入は映像編集の重要な一部だ。
さて、このテロップ(スーパーやタイトルともいう)ただ、文字を入れて読めさえすればいいんですが、映像の用途によってその幅が大きく異なります。
記録ビデオなら演目毎に。インタビューなら字幕。アクセントに文字を使用して目を引くなど様々、そしてその文字デザインも様々なわけです。
文字デザインとは見た目をハデに見せることから、目立たたせないモノまであって、作り手の意図・センスの代名詞なのである。
映像制作に長けてる方ならテロップ文字を見ただけで瞬時に技術レベルが計れてしまうのだ。
こういった内容を踏まえて、いかに適切なテロップ文字を作成したらよいのか記していきたいと思っています。
今回は第1回「テロップデザインの基本」です。
テロップ文字の基本は読めるかどうか
文字打って文法的に間違いなければ読めるに決まってんだろ!という声が聞こえてきそうですが、実際は違います。
こと映像に入れる文字というヤツはなかなか手ごわいんです。インターレースのフリッカー問題もありますし、奥はかなり深いです。
まず下の画像を見てください↓GariGari-Studioという文字読めますか?
ではですね・・。次の文章を6秒で読んでみてください↓
無理すれば読めますよね。無理すれば。
テロップとは「映像の文字」だということを念頭に置いてください。映像は流れてます。写真や紙とは違う。つまり制限時間が少なからずある。
テロップ文字とはそれを挿入するカット(絵)の尺に合わさなければ本来の意味をなさない。
例えばこの長い文章が3秒の映像に挿入されてると、とても読みきれない。文字で伝えたい情報がたくさんあっても尺と相談しなければ見る人に不快感を与えてしまう。
あえて読ませようとする意図がない(法律関係CMの小さい文字とか)限りはこの基本を覚えておいたほうがいいです。「映像の尺と適切な文字数」
画面から離れた位置で読めるかどうか
編集する際、皆さん編集画面やプレビュー画面から近いですよね?近くないと操作もしずらいし、長時間編集してると集中のあまり客観的アプローチがおろそかになりがちです。
まず新規デザインのテロップが出来たら24インチ画面で2m離れて見てください。まさかの40インチwくらいなら5mくらい ※ 映像は静止でHDを基準としてます。
読めますかね?なんかゴチャゴチャしてて読めないとか?ギリ読めるとかあると思いますが、映像を売るという目的でしたら・・必ず「読める!」に持っていきましょう。
2mも離れたら物理的に読めない(視力がない)方は誰か目の良い人に見てもらってください。めんどくさいなんて言わないで。「売る」ということは甘くない。
では何故に離れて見るのか? これは文字デザインが大きく関係しています。
テロップ文字とは大きく分けると・・・
- 文字単体(大きさ・フォント・色)
- 文字に付くエッジ(輪郭・影・エンボス・3D・色)
- 文字の装飾(バックマットやアクセントアイテム)
- 文字を乗せる背景映像(明暗・色・コントラスト)
これら4つに大きく分類されます。かなりデザインしなければいけない部分が多いです。と、同時に過度なデザインをしてしまう恐れがあるといってもいい。
特に文字色・エッジが適切でないと文字が潰れて読みにくくなったり、背景映像が邪魔になって文字が浮いてこないなど、近づいて画面を見ているよりさらにクオリティを要求されることが分かる。そして何が見にくい要因なのかも判断しやすいだろう。
第1回目は映像テロップの基本をお伝えしましたが、これを踏まえて第2回は具体的な文字デザインの作成について書いていきます。
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